アナン

アナンとはお釈迦様の十大弟子の一人で、多聞第一といわれたお弟子です。

誰よりもお釈迦様のお言葉をよく聞き、修行に励みました。

今は亡き故人はあの手この手で私たちに多くのメッセージ。

気づきのきっかけを与えてくださっています。

そんな故人からのはたらきかけに一緒に耳を傾けてみましょう。

​それが聖徳寺が毎月発行している「アナン」です。

大悲、倦きことなくして

つねにわれを照らしたまふ

 私達は中々素直になれません。先日私も家族とちょっとしたことから口論になり、途中で「自分が間違っているのでは?」と思っても時すでに遅し。自分の誤りを認める事が出来ずに事は収まるどころか、どんどんと意図しない方向へ進んでしまうようなことがありました。

 私達は自分の知識や経験から、物事の答えを導き出します。しかし、私たち人間が考える事は所詮は浅知恵ばかりです。万人が納得するような答えは示せず、どんなことでも必ず賛否両論があります。しかし、だからと言って意見が違う人を非難したり、誤りをいつまでも許さないようでは、世の中はうまくいかず、バラバラで争いの絶えないような社会になってしまう事でしょう。

 いま世の中では様々な「レス(英語でless)」つまり、「ない」ということが提唱されています。

 例えば、男女などの性差をなくす意味の「ジェンダーレス」。国境をなくす意味の「ボーダーレス」など。境をなくし、あらゆる点での平等を目指しています。

 この考え方こそが、仏教であり、まさに浄土真宗の考え方そのものです。そもそも仏教は全ての人が仏となる事の出来る教えであり、その中でも浄土真宗は、身分、男女、能力などすべてが関係なく、だれでも平等に救われ、仏となる事が出来る教えです。

 親鸞聖人が『教行信証』に記された言葉が

  大悲、倦きことなくして

  つねにわれを照らしたまふ

です。

 阿弥陀如来は常に私たちをよび続け、どんなことがあろうと見捨てる事はありません。たとえ私が誤っている方向へ進んでしまっても、常に手を差し伸べ正しい道をそっと示して下さる。共に悩み、共に悲しみ、共に楽しんでくださる。「あなたを救う仏はここにいるよ」とあたたかく抱いてくださいます。

 お参りを通して、そんな仏様の心に向き合い、自分自身を見つめなおし、日々心穏やかに歩んでいきたいものです。