
アナン
アナンとはお釈迦様の十大弟子の一人で、多聞第一といわれたお弟子です。
誰よりもお釈迦様のお言葉をよく聞き、修行に励みました。
今は亡き故人はあの手この手で私たちに多くのメッセージ。
気づきのきっかけを与えてくださっています。
そんな故人からのはたらきかけに一緒に耳を傾けてみましょう。
それが聖徳寺が毎月発行している「アナン」です。
正見
正しい見解、思想
今回から数回にわたり八正道について記していきます。
八正道とは、
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正見・・・正しい見解、思想
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正思惟・・正しい心のおこない
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正語・・・正しい言葉を語ること
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正業・・・正しい身体のおこない
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正命・・・正しい生活
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正精進・・正しい努力
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正念・・・正しい見解を心に留める
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正定・・・正しい宗教生活
です。
まずは正見です。正見とは、仏教の真理である四諦、つまり
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世の中は思い通りにいかない
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執着心によって思い通りにいかない
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執着心をなくせば、一切の苦しみはなくなる
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苦しみのない境地に赴くには、八正道を修めるしかない
ということを自覚した正しい見解、思想であり、八正道の目的とも言えます。
私たちには、生まれてから死ぬその時まで、煩悩というものが備わっています。煩悩によって、執着心が生まれてきます。例えば、お昼にカレーを食べようと思っていたが、何らかの理由でカレーが食べられないと、残念な気持ちが湧いてきます。これもカレーに対する執着心です。
自分自身にはこういった煩悩が備わっていることをしっかりと自覚し、欲や煩悩に振り回されないで物事を冷静に捉えていくことが大切です。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってから、早一年。ロシアにはロシアの考え、ウクライナにはウクライナの考えがあって当たり前ですが、それぞれに自身の執着があることも事実です。争いがこれ以上激化しない道を、正しい見解、思想で模索して欲しいものです。