
アナン
アナンとはお釈迦様の十大弟子の一人で、多聞第一といわれたお弟子です。
誰よりもお釈迦様のお言葉をよく聞き、修行に励みました。
今は亡き故人はあの手この手で私たちに多くのメッセージ。
気づきのきっかけを与えてくださっています。
そんな故人からのはたらきかけに一緒に耳を傾けてみましょう。
それが聖徳寺が毎月発行している「アナン」です。
正語
正しい言葉を語る
八正道(はっしょうどう)の3つ目は正語(しょうご)、「正しい言葉を語る」です。
お釈迦様が説かれた十善戒(じゅうぜん)かい)という、一般の人が守るべき十の戒めのうち、四つは言葉に関することで、
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不妄語(ふもうご)・・・噓を言わない
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不綺語(ふきご)・・・ふざけたことを言わない
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不悪語(ふあくご)・・・悪口を言わない
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不両(ふりょう)舌(ぜつ)・・不仲になることを言わない
です。これらに気を付けることが、正しい言葉を語ることにつながります。
また、正しく語るためには、他人の言葉をしっかりと聴くことが大切になってきます。他人の言葉に耳を傾けられないのは、自分が正しいと思い込んでいるからです。
私たちはなかなか自分の姿には気づきません。仮に気づいたとしても、受け入れがたく、都合の悪い真実からは目を背けがちです。これらは私たちに備わっている煩悩のためであり、そのために自己中心の心から離れることが出来ません。
しかし、自己中心の心から完全に離れて、煩悩を完全になくすことは出来なくても、たまに気づくことは出来ます。それが故人をご縁として仏様の教えに逢せていただく法要の場、もっと広く言えば故人をご縁として手を合わせる場です。
浄土真宗は聞法の宗派と言われます。
今は亡き故人、仏様とのご縁を受けて、仏様の教えを聴き、自分自身を見つめなおし、故人、仏様とともに正しい道を歩んでいく宗派です。
私たちのかたくなな心を少しでも解きほぐそうと、見守り、語り掛けてくださる故人がいらっしゃいます。
忙しい日々の中でゆっくり手を合わせる機会は少ないかもしれませんが、なるべく故人、仏様との時間を大切にし、自分自身を見つめなおす場としたいものです。