
アナン
アナンとはお釈迦様の十大弟子の一人で、多聞第一といわれたお弟子です。
誰よりもお釈迦様のお言葉をよく聞き、修行に励みました。
今は亡き故人はあの手この手で私たちに多くのメッセージ。
気づきのきっかけを与えてくださっています。
そんな故人からのはたらきかけに一緒に耳を傾けてみましょう。
それが聖徳寺が毎月発行している「アナン」です。
他力往生の機に相応たるべし
『口伝鈔』
令和五年を迎えました。皆様、本年もよろしくお願いいたします。
私自身、昨年を振り返ってみますと、相変わらずの一年だったように思えます。一年の計は元旦にありと言うように、毎年お正月に目標をたててはみるものの、中々思うように結果へと結びつかず、年末を迎えるころには「もう年末か、一年はあっという間だな」などと言い、元旦にたてた目標は翌年に繰り越そうなどと思いながら、年の瀬を迎えている私です。
日々多くのきっかけをいただきながらも、それらを活かしきる事が出来ず、その日暮らしをしている自分自身を省みて、今年こそと性懲りもなくまた心に誓っております。
さて、私達はいくら頭では分かっていても、心や体が伴わず、同じような失敗を繰り返してしまいます。
仏様からすれば、私たち人間は煩悩にまみれ、あっちへふらふら、こっちへふらふらと道草を食い、迷いながら人生を歩んでいるように見えています。
分かっちゃいるけど止められない。というように、同じような失敗を繰り返しながら日々歩んでいます。
では、仏様はそのような私達に対して、どのように思っているのでしょうか。
常に自分自身を律し、明るく、清く、心正しく生きなさいと、叱咤激励しているのでしょうか。
そうではありません。
私達に対して、あるがままに、悩み、苦しみ、道草を食いながらでも、時には自分自身を省みて、一歩ずつ前に向かって歩いていらっしゃい。と手を差し伸べて、共に悩み、苦しみ、悲しみ、笑ってくださるのが仏様です。
常に寄り添い、見守り、導いて下さる。そのような仏様と共に、今年も穏やかな一年を過ごしていきたいものです。