
アナン
アナンとはお釈迦様の十大弟子の一人で、多聞第一といわれたお弟子です。
誰よりもお釈迦様のお言葉をよく聞き、修行に励みました。
今は亡き故人はあの手この手で私たちに多くのメッセージ。
気づきのきっかけを与えてくださっています。
そんな故人からのはたらきかけに一緒に耳を傾けてみましょう。
それが聖徳寺が毎月発行している「アナン」です。
正精進
正しい努力
八正道(はっしょうどう)のつ六つ目は正精進(しょうしょうじん)「正しい努力」です。
精進という言葉は、力士が口上で使用することもありますし、普段の生活でも聞くこともあるかと思いますので、なんとなく意味をご存知の方も多いと思います。
精進とは一般的には「努力」という意味でつかわれることが多いのではないでしょうか。それぞれの漢字を見ていきますと、物事に精魂込めて、ひたすら進むことを精進といいます。
これを仏教では、出家をして、欲望に惑わされない生活のことを指すようになりました。つまり、一切の欲望をなくすことです。
一切の欲望をなくすことは、私たちにできることでしょうか。おそらく不可能です。親鸞聖人以前の仏教では、欲を断ち切ることが求められておりましたが、親鸞聖人は、我々のような一般人こそが、仏の救済の対象であり、仏様はそのような私たちに対して、そのままで良い。と仰って、必ず救い取って下さると約束してくださっている。と教えて下さいました。
私たち自身が、そのような凡夫であることに気付き、そのような私たちを救ってくださる仏様がいらっしゃることに気付かせていただき、そのような仏様に対する感謝の心と共に歩む生活が、正精進と言えます。
精進とは、精魂込めて進むことです。
常に見守り必ず救い取って下さる阿弥陀如来への感謝。その阿弥陀如来のことを教え、私たちに気づきの場を与えて下さる、今は亡き身近な故人をはじめとする、先祖知友への感謝の気持ちを忘れずに、日々を大切に歩んでいくことが、正精進です。
八月は旧盆です。故人をご縁として手を合わせる機会を設け、故人を想い偲ぶとともに、その教えに耳を傾け、少しでも正しい道を歩んでいきたいものです。